血液透析患者のerythropoiesis-stimulating agents(ESAs)低反応に関する検討
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概要
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目的:透析患者におけるerythropoiesis-stimulating agents(ESAs)低反応の原因に種々の因子が関与する.今回,ESAs低反応の指標として,erythropoiesis resistance index(ERI)を用い,種々の因子との関連につき検討した.対象:維持透析施行中の患者130名で,内訳は男性91名,女性39名.平均年齢69±11歳,平均透析歴55±60か月.方法:ERIの定義はESAs投与量を体重(BW)とHbで割った値ESA doses/kg/g/dL/週とした.ESAsはrHuEPOとDarbepoetin α(DA)を使用しており,rHuEPOとDAの比を200:1としrHuEPOの換算量とし過去1か月の平均投与量を算出し,各種因子との関連を検討した.結果:鉄代謝マーカーのFe,TIBC,TSATと有意な負の相関を認め,フェリチンとは有意な正の相関を認めた.炎症性サイトカインのIL-6とは有意な正の相関を認め,栄養状態のアルブミン,GNRIと有意な負の相関を認め,BWとBMIとも有意な負の相関を認めた.また動脈硬化症に関係するfetuin-Aとは有意な負の相関を認め,baPWVとは正の相関を認めた.酸化ストレスの8-OHdGとは有意な正の相関を認め,総コレステロール(T-C),LDL-コレステロール(LDL-C),中性脂肪(TG)とも有意な負の相関を認めた.多変量解析では,TSAT,TIBC,BMI,8-OHdGと有意な相関を認めた.結論:鉄代謝マーカーのFe,TIBC,TSAT,フェリチン,炎症性サイトカインのIL-6,栄養状態のGNRI,アルブミン,BW,BMI,動脈硬化症に関連するfetuin-A,baPWV,酸化ストレスの8-OHdG,および脂質系のT-C,LDL-C,TGがESAs低反応に関与することが示唆された.
著者
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水野 真理
敬愛病院腎臓内科
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安藤 英之
敬愛病院循環器内科
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樋口 輝美
敬愛病院腎臓内科
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石川 由美子
敬愛病院透析センター
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山崎 俊男
敬愛病院腎臓内科
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大川 恵里奈
敬愛病院腎臓内科
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瀬戸口 晴美
敬愛病院透析センター
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柳沢 順子
敬愛病院透析センター
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吉沢 美佳
敬愛病院透析センター
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堀之内 那美
敬愛病院透析センター
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遊佐 美恵
敬愛病院透析センター
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早瀬 美幸
敬愛病院透析センター