排便造影を基にしたinternal rectal prolapseの臨床症状

概要

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目的：Internal rectal prolapse（IRP）の症状を排便造影によるOxford Rectal Prolapse Grade（ORPG）に基づいて評価した．<BR>方法：ORPGでは直腸重積（RI）の先端が肛門管上縁ならびに肛門管内まで下降するものを各々grade 3，grade 4と分類されるが，本研究ではgrade 3：24例，grade 4：26例を対象とした．便失禁の評価にはFecal Incontinence Severity Index（FISI）を用い，排便造影ではRIの長さを計測した．<BR>成績：IRPの症状として排便困難が36/50例（72％），脱出感が35/50例（70％），便失禁が26/50例（52％），出血が19/50例（38％），肛門痛，頻回の便意が各々18/50例（36％），粘液便が17/50例（34％），掻痒感が16/50例（32％）に認められた．RIの長さはgrade 3よりgrade 4で有意に長かった（P＝0.002）．またRIの長さとFISIの間には有意の相関関係が認められた（P＝0.019）．<BR>結論：IRPの症状は多彩で，排便困難，脱出感，便失禁が半数以上に認められた．またRIが長いほど便失禁が重症化することが示唆された．