長期野外計測時の湿度センサ劣化を回避する外気湿度推定手法
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概要
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圃場における湿度情報の取得は遅霜や病虫害などの発生予察を行ううえで重要である.しかしながら湿度センサは埃の付着や多湿状態での使用を嫌うため,長期にわたり計測を行うとセンサが劣化し保守・交換などの現場負担が大きくなる.そこで本研究では,フィールドサーバにおいて通常外部の空気取り入れ口に設置されていた湿度センサを本体内部に移動し,内部に取り込まれた空気の湿度および内気・外気の温度を計測して再計算することで,外気の湿度を推定する手法を提案した.本手法はフィールドサーバの構造を利用することで,内部に移設された湿度センサへの埃の付着を低減するほか,内部の発熱によってセンサ周囲の空気が高湿度状態にならず,湿度センサの劣化を防ぐことができる.本手法による外気湿度の推定がどの程度有効かを評価するためシミュレーションおよび実験を行った結果,湿度センサの環境を外気より10%RH前後抑えられながら適切に外気湿度を推定できることが確認された.また長期運用実験を行った結果,湿度センサが劣化することなく外気湿度を実験前と同程度の精度で推定することができた.
著者
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平藤 雅之
National Agriculture and Food Research Organization
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平藤 雅之
National Agricultural Research Center
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深津 時広
National Agricultural Research Center
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竹澤 邦夫
National Agriculture and Food Research Organization
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