朝倉地域に産する周防変成岩類の接触変成作用の温度圧力条件−上昇過程の制約−
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概要
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福岡県朝倉地域に産する周防変成岩類は白亜紀に接触変成作用を被っている.この接触変成帯は泥質岩の鉱物組み合わせを用いて,南から北へ緑泥石帯,緑泥石−黒雲母帯,黒雲母帯,紅柱石帯の4帯に分けられた.紅柱石がカリ長石と共存することより,紅柱石アイソグラッドは次の反応で定義される:白雲母+石英=紅柱石+カリ長石+水.紅柱石帯の変成条件は,ザクロ石−黒雲母地質温度計とザクロ石−黒雲母−斜長石−石英地質圧力計より,560±50℃,2.3±0.90 kbarと推定された.この接触変成作用の熱源を北方の朝倉花崗閃緑岩と仮定すると,周防変成岩類は95 Maまでに深さ約9 kmまで上昇しており,遅くとも44 Maまでに地表に達して直方層群に被覆されたと考えられる.
著者
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池田 剛
Department of Earth and Planetary Sciences, Graduate School of Science, Kyushu University
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北野 一平
Department of Earth and Planetary Sciences, Faculty of Science, Kyushu University