反応ガスクロマトグラフィーを用いる国際単位系にトレーサブルな有機標準物質特性値の新規決定法
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概要
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トレーサビリティを確保し不確かさが付与された標準物質を開発するには,多くの時間と費用を必要とする.国際単位系(SI)にトレーサブルな標準物質の開発を簡易に行うことを目的として,反応による物質変換の技術を用いる研究を行い,新たな装置とその校正方法を開発した.ガスクロマトグラフ(GC)のカラム出口と水素炎イオン化検出器(FID)の間に酸化反応部と還元反応部を直列に組み込んだ装置では,優れた結果を得ることができた.この装置は,導入した試料成分をカラムで分離後,二酸化炭素に酸化し,直後にメタンへ還元しFIDで検出する.数種類のSIトレーサブルな標準物質を混合調製して本装置で測定し,メタン換算濃度とピーク面積値から関係線を求め直線となることで,反応系の反応効率を検証するとともに,装置の校正を行う.この関係線を用いて標準物質と異なる成分を含んだ試料を本装置で測定し,分離した成分すべての定量を行う.この新たな値付け法は,SIトレーサブルな標準物質の開発がより容易に行える画期的な方法である.
著者
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渡邉 卓朗
Gas Standards Section, Organic Analytical Chemistry Division, National Metrology Institute of Japan (NMIJ), National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)
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前田 恒昭
Reference Materials Office, Metrology Management Centre, National Metrology Institute of Japan (NMIJ), National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)
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加藤 健次
Gas Standards Section, Organic Analytical Chemistry Division, National Metrology Institute of Japan (NMIJ), National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST)