無架橋無定形ポリマーの化学レオロジー
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概要
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化学レオロジー的研究は, ポリマー構造の化学変化を定量的に, 的確に測定する点で意味があるしかしながら, 従来までの化学レオロジー的研究の対象となるポリマーは, 主としてゴム状状態を呈する架橋ポリマーに限られていた.本報では顕著な物理流動が, 化学変化と同時に併起する無架橋, 無定形ポリマーの場合, 従来の架橋高分子の場合と同様な定量的取り扱いを行った.すなわち, 上述のような物理緩和と化学緩和が同時に生ずる場合の式として次の2式を導き, 実測値との間に良好な一致をみた.<BR>Er (t)=E0{Et (-t/τe)-Et (-t/τm (0)・e-3.4k1t)}(1)<BR>及び,<BR>Er (t)=Er (0)・e-{t/1.4×10-14 {M (0)} 3・4e-3・4k1t} B (2)<BR>ここで, Er (t) はt時間後の緩和弾性率, E0, τe, τmはそれぞれ, ポリマーの緩和スペクトルのゴム状領域の高さ, 最小, 最大緩和時間.また, Er (0) はゴム状領域の緩和弾性率, τはEr (t)=Er (0)/eのときの時間tの値.Bは試料の分子量分布に関する値.
- 一般社団法人 日本ゴム協会の論文