社会適応スキル検査の作成の試み
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
発達障害・知的障害のある子どもたちに対して適切な支援を行う上で, 社会適応上必要なスキルを安定的かつ多面的に測定する検査の開発が求められている。そこで, 本研究では, 社会適応スキル検査の作成を試みた。まず予備調査では, 項目内容や採点法の適否等に関する検討を行い, また定型発達群(N=959)の標本をもとに各項目の困難度, 内的整合性の検討を行った。その結果を踏まえて, 本調査では, 特別な教育的ニーズのある群(N=560)と定型発達群(N=2,027)の標本をもとに, 各項目の内的整合性の再評価や因子分析モデルに基づく妥当性検証を行った。その結果, 検査の下位スキルとして設定した「言語スキル」, 「日常生活スキル」, 「社会生活スキル」, 「対人関係スキル」において実用上十分な内的整合性が認められ, また一因子性の観点から下位項目の因子的妥当性も確認された。また, 実用上の観点から, パーセンタイルに基づく社会適応スキル指数の算出や, 水平線表示を利用した個人内評価の方法についても検討を行った。最後に, 本検査を適用したADHDの子どもの一事例を通して本検査の臨床的有用性を考察した。
著者
-
宇佐美 慧
東京大学大学院教育学研究科
-
名越 斉子
埼玉大学
-
松田 祥子
旭出学園教育研究所
-
菊池 けい子
旭出学園教育研究所
-
肥田野 直
学校法人旭出学園
-
服部 由起子
旭出学園教育研究所
-
斉藤 佐和子
元旭出学園教育研究所
関連論文
- 二値データの為の個人差多次元一対比較モデルと次元数の推定 : スポーツデータ解析への応用(学生研究発表賞セッション)
- 採点者側と受験者側のバイアス要因の影響を同時に評価する多値型項目反応モデル--MCMCアルゴリズムに基づく推定
- PD083 小論文評価データの統計解析
- 2. Bayesian Generalized Bradley-Terry Model using RJMCMC
- MCMC法に基づく多変量階層線形データの分析(セッション5A(学生研究発表賞セッションII))
- 予測変数を伴う展開型項目反応モデル(一般セッション IRT)
- 刺激が複数の要因の影響下にあるときの尺度構成法 : Bradley-Terryモデルを用いて(セッションN-11(MK202) 一般セッション 心理2)
- 採点者側と受験者側のバイアス要因の影響を同時に評価する多値型項目反応モデル : MCMCアルゴリズムに基づく推定
- PC1-29 発達障害児へのPVT-R絵画語い発達検査の適用 : WISC-IIIとの関連および初期アセスメントとしての活用(障害)
- PD1-26 社会性尺度に見られる対人関係スキルの発達について(発達)
- PB103 発達障害児のWISC-IIIに見られる認知的特性 : LDと高機能広汎性発達障害において
- 探索的なモデル選択過程を想定する多母集団同時解析(多母集団同時分析とマルチレベル分析,日本行動計量学会 第38大会 抄録集)
- 822 ロールシャッハ・テストによる精神薄弱児の行動類型の研究(800 臨床・治療・障害)
- 通常の学級における学習につまずきのある子どもへの多層指導モデルMIMの効果と汎化に向けた課題(自主シンポジウム64,日本特殊教育学会第48回大会シンポジウム報告)
- 潜在曲線モデルにおける群間比較のためのサンプルサイズ決定(セッション2B)
- 1112 学習障害児に対する就学前指導の事例報告(学習障害・視覚障害他,障害2,口頭発表)
- 小論文評価データの統計解析 : 制限字数を考慮した測定論的課題の検討
- 社会適応スキル検査の作成の試み
- 階層的なデータ収集デザインにおける2群の平均値差の検定・推定のためのサンプルサイズ決定法と数表の作成
- タイトル無し
- 第10回(2011年度)優秀論文賞 選考経過および講評