上部消化管X線造影検査が腹部超音波検査に及ぼす影響
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概要
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目的:腹部超音波検査(US)は,一般に上部消化管X線造影検査(UGI)の前に行われている.当施設では人間ドックの時間的効率化やUGI後のUSの追加希望など,UGIの前後にかかわらず,USを行う要望が高まってきた.そこでUGI後のUS描出能について検討した.方法:当施設職員男性11人,女性9人の計20人を対象にUGIの前後でUSを行い,臓器別に描出能を検討した.対象臓器は肝臓,胆嚢,総胆管,膵臓,脾臓,腎臓とした.また,UGI終了からUS開始までの時間を計測し,膵臓の描出について時間帯別に検討した.結果:肝臓・胆嚢は,UGI後のUSでも体位変換やプローブの走査方向を変えることで,UGI前と同等の描出が可能であった.総胆管は1人を除き同等以上に描出できた.脾臓・腎臓は影響を受けなかった.膵臓は描出不良が7人(35%),体位変換にて同等が8人(40%)であったが,発泡剤によるガスの影響は少なく,バリウムの影響で描出不良となった例が多かった.膵臓における時間帯別検討では,UGI終了からUS開始までの時間が30分以内では描出不良例を認めたが,それ以降では認められなかった.結論:UGI後のUSは少なくとも30分以上の間隔をあけることが必要であり,検査時に体位変換やプローブ走査法を工夫することにより,UGI前と同等の画像を得ることが可能である.
著者
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池田 敏
岡山大学大学院保健学研究科
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池田 敏
岡山大学大学院 保健学研究科検査技術科学分野
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澁谷 光一
岡山大学大学院 保健学研究科放射線技術科学分野
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渡邉 敏充
財団法人 倉敷成人病センター
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鷲見 和幸
財団法人 倉敷成人病センター
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丹谷 延義
財団法人 倉敷成人病センター
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山﨑 智子
財団法人 倉敷成人病センター
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飽浦 良和
財団法人 倉敷成人病センター
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蘆原 友里
財団法人 倉敷成人病センター
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戸羽 祥二
財団法人 倉敷成人病センター
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山﨑 智子
財団法人 倉敷成人病センター
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