高度多価不飽和脂肪酸の定量的生合成速度に関する研究
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概要
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高度多価不飽和脂肪酸 (HUFA), とくにドコサヘキサエン酸 (DHA, 22:6n-3) やアラキドン酸 (AA, 20:4n-6) は, 脳や心臓血管系で様々な生理活性を示す必要不可欠な脂肪酸である。これらは食品から体内に直接摂取される一方で, 体内の主に肝臓でそれぞれの前駆体であるリノレン酸 (ALA, 18:3n-3) やリノール酸 (LA, 18:2n-6) からも生合成される。しかしながら, それらの合成量, そして各臓器での必要量など, 定量的な報告はこれまでになかった。本研究では生理的な動態モデルを駆使し, ラットの主な臓器での高度多価不飽和脂肪酸の生体内合成量, 脂肪酸の取込量や代謝速度などを定量的に示すことを目的とした。本稿では, 特にラットの脳や肝臓で得られた知見を中心に概説したい。