産総研-水系暴露解析モデル(AIST-SHANEL)による日本全国の1級水系を対象とした化学物質濃度の推定
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
化学物質の水系内の河川水濃度をモニタリングより俯瞰することは,時間的,空間的に密に観測することが経済的,作業的に困難であることから現実的でない。この認識の下,全国109の1級水系を対象に化学物質の河川水濃度を月単位かつ3次メッシュの解像度で推定する産総研-水系暴露解析モデル(AIST-SHANEL Ver.2.0)が開発されている。本研究では,このモデルを直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩(LAS)に適用した結果,複数地点の月単位および年平均の河川流量と河川水LAS濃度に関して推定値を検証するとともに,月別変化や面的分布を捉えることができた。また,化学物質の観測値の経時変化が得られることは稀で,これを負荷流出特性から検証した結果,LASの経時変化の妥当性が判断できた。本研究により,本モデルはモニタリングでは捉えきれない潜在的なリスクを時間的,空間的な環境場に対して見逃さない評価を可能にしたものと考える。
著者
-
川口 智哉
株式会社日水コン
-
石川 百合子
独立行政法人 産業技術総合研究所 化学物質リスク管理研究センター生態リスク解析チーム
-
東野 晴行
独立行政法人 産業技術総合研究所 安全科学研究部門
-
東野 晴行
独立行政法人産業技術総合研究所安全科学研究部門環境暴露モデリンググループ
-
石川 百合子
独立行政法人産業技術総合研究所安全科学研究部門環境暴露モデリンググループ
-
川口 智哉
株式会社日水コン中央研究所
関連論文
- リスク評価ツールとしての大気拡散モデルの開発
- 複数化学物質の動態を考慮した流域水生態環境評価モデルの構築
- 3D1140 バイオエタノール自動車燃料使用による健康リスク変化の推定(2手法-5シミュレーション,一般研究発表)
- 3D1128 リスク評価用次世代大気モデルへの人工排熱の導入とその効果(2手法-5シミュレーション,一般研究発表)
- 1E1142 関東地方を対象にした排出削減対策によるオゾン低減効果についての数値シミュレーション(2手法-5シミュレーション,一般研究発表)
- 2J1230-2 リスク評価ツールとしての大気拡散モデルの開発(進歩賞受賞記念講演)
- 集水域の特性分類に基づく暴露解析手法の提案 : 4-ノニルフェノールを例として
- 河川流域における化学物質リスク評価のための産総研-水系暴露解析モデルの開発
- 化学物質のリスク評価のための水系暴露解析モデル
- 東京湾におけるデカブロモジフェニルエーテルの環境濃度推定
- 産総研-水系暴露解析モデル(AIST-SHANEL)による日本全国の1級水系を対象とした化学物質濃度の推定
- 沿岸生態リスク評価モデルによる東京湾の鉛はんだのリスクトレードオフ評価手法