乾燥時期が分割材の天然乾燥経過に与える影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
10月と5月に伐採したヒノキとアラカシについて, 分割サイズ (4, 8分割) や乾燥場所 (舗装の有無, 屋根の有無) を変えて乾燥試験を行い, 乾燥時期が剥皮分割材の乾燥経過に及ぼす影響を調べた。時期を問わず, (1) 低比重材のヒノキの方が速く乾燥すること, (2) 苗畑よりもアスファルトや温室で, 屋外よりも屋内で速く乾燥すること, (3) 細かく割った方が含水率を低くでき, その効果は高比重材のアラカシにおいて顕著に現われることを確認した。分割サイズの影響は, 乾燥初期の段階では, 心材率の違いによる含水率の差のため目立たなかった。また, 5月に乾燥を開始したときの方が, 10月に開始したときよりも乾燥初期の乾燥が速くなった。しかし, 乾燥開始時期によらず, 乾燥開始から1∼4週間程度で乾燥初期のような大幅な含水率の低下が見込めなくなるため, 長期間の乾燥は効果的でないと考えられた。長期間の乾燥では, 剥皮分割によって得られる効果が小さくなることも明らかとなった。
著者
関連論文
- 分割材の天然乾燥による水分減少経過
- 樹皮抽出成分の化学特性, 生物活性及び機能増強のための変換に関する研究
- 樹皮タンニンの化学特性と化学・酵素変換
- 乾燥時期が分割材の天然乾燥経過に与える影響
- バイオリファイナリー研究の展望