前庭感覚刺激を用いた歩行誘導効果とそれに影響を及ぼす行動決定過程のモデル化
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概要
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我々は日常生活において,矢印やサインなど様々な誘導を受けており,その多くは意識下で制御されている.そこで我々は新たな誘導デバイスとして,個人への適応が可能な前庭感覚刺激(Galvanic Vestibular Stimulation)と呼ばれる,前庭感覚を電気刺激することで,身体を左右に傾かせるインタフェースを用いた実験を行った.GVSを用いた歩行誘導として,先行研究では電流量と左右の誘導量の評価を行っているが,歩行速度及び誘導が開始するまでの潜時の評価は行われていない.そこで本研究では,歩行速度の変化についての定量的な評価及びその潜時の調査を行った.更に実験結果から,その誘導効果に対する歩行者の歩行周期の影響が明らかになったため,歩行時の行動決定過程を理解するためのすれ違い行動実験を行った.具体的には視線情報から回避判断を行うときの対向者の身体部位及び対向者の歩行位相を明らかにした,また歩行者自身の運動を計測し,回避運動を行う際の歩行者の歩行位相の影響について評価した.これらの結果から,歩行周期に基づいた歩行者の誘導方法について検討した.
著者
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大森 隆司
玉川大学脳科学研究所
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渡邊 紀文
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科:(現)玉川大学脳科学研究所知能ロボット研究センター
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渡邊 紀文
玉川大学脳科学研究所
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三門 裕明
玉川大学脳科学研究所
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