ヨード甲状腺腫ニワトリにおける甲状腺内ヨード代謝と末梢サイロキシン代謝に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
沢田は, ニワトリに大量ヨードを長期間投与したところ甲状腺腫が生じ, その甲状腺ヨードアミノ酸については<SUP>131</SUP>MIT/<SUP>131</SUP>DITの低下と<SUP>131</SUP>T<SUB>3+4</SUB>分画の減少を報告した.<BR>本研究は, ヨード甲状腺腫ニワトリにおける甲状腺内stableヨード代謝および末梢サイロキシン代謝を知る目的で行い, 次の結果を得, 縮合障碍のあることを確認した<BR>. (1) ヨード1.0mg/day4週間投与したニワトリに, <SUP>131</SUP>Iをcarrierヨード1.0mgと共に注射し24時間後の甲状腺水解液をDOWEX, 1×2, Cl-form, 200-400meshを用いたカラムクuマトグラフィで分析し, 各ヨードアミノ酸分画のヨードを<SUP>131</SUP>Iおよび<SUP>131</SUP>Iとして測定した.その結果, <SUP>127</SUP>Iの分布は1311注射後24時間の分布と等しく, <SUP>131</SUP>MIT/<SUP>131</SUP>DITの低下と<SUP>131</SUP>T<SUB>3+4</SUB>分画の減少を確認した.<BR>(2) <SUP>131</SUP>Iと<SUP>127</SUP>Iを用いた平衡実験 (ヨード負荷3週間) でも, MIT/DITの低下とT<SUB>3+4</SUB>分画の減少を認めた.また甲状腺の比放射能は, 平衡実験5週間で, stock solutionのそれとほぼ同値であった.<BR>(3) 甲状腺総ヨード量 (<SUP>127</SUP>I) は, 対照の約7倍に増加しており, 甲状腺内サイロニン量は約3倍に増加していた.ヨー一ド中止1週目では甲状腺内総ヨード量は減少しており, その約70%はDITの減少によるものであった.<BR>(4) ヨード負荷ニワトリでは, 血中サイロニン濃度, <SUP>131</SUP>I標識サイロキシンの半減期, 24時間崩壊量はいずれも対照と差がなかった.
- 一般社団法人 日本内分泌学会の論文