アマルガム修復物辺縁観察のためのレプリカ法の開発とその応用について
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概要
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私どもの教室では, 口腔内の修復物辺縁の詳細な観察のために, より簡便で迅速に調製できるレプリカ法を開発した.そこでその再現精度を検討するとともに, アマルガム修復物辺縁の経時的変化をレプリカ法を用いて観察した.印象材としてG-C社製ビニルシリコーン印象材ExaHexを選び, この印象面にModeluckを塗布し, 30分後にBlue Inlay waxを注入したもの, エポキシ樹脂のEpo倣, エチレンイミソ樹脂と無機フィラーの複合模型材Impredur, エポキシ系複合模型材K.P.D.RockModelをそれぞれ印象而に注入したものの4種の模型材について7μmの細線の再現性を, 走査型電子顕微鏡によって判定した.その結果, Modeluckのものと Epofix のものが, 良好な再現性を示した.次いで, これら4種について, エッチングした歯表の微細構造の再現性を比較したが, その結果, Epofix が最もすぐれており, 修復物の臨床的観察にも十分使用可能であると考えられた.そこで本レプリカ法を使用し, 従来型球状アマルガム, 単一組成型高銅アマルガム, 混合型高銅アマルガムの約40例におよぶ修復物の1年にわたる辺縁部の経時的変化を観察した.その結果, 3種のアマルガム間には肉眼的に大きな差異はみられなかったが, 電顕的には, 従来型アマルガムでは, JΦrgensenの報告にあるような吸水銀膨張による辺縁の反りあがり, それに咬合圧の加わった破折が観察された.また3種のアマルガムとも, 辺縁の劣化は主として, 過剰溢出部の咬合による破折が原因であると思われる.しかし, これら辺縁欠陥と二次カリエスの発生との関連については, 今後より詳細な臨床的検討を行う必要があると思われる。
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