鶏胚脛骨の形成過程に関する形態学的研究
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概要
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胚脛骨の形成過程を, 3日鶏胚から購化までの期間を通じて形態学的に観察した.3日鶏胚肢芽では中央部に未分化間葉系細胞の密集した帯状の層がみられ, 4日鶏胚になると同層の細胞間がやや離開した.5日鶏胚下肢では帯状の層の細胞間に網状の軟骨基質が沈着し, 6日鶏胚で軟骨モデルが完成した.7日鶏胚になると骨膜性骨帯の形成が始まり, 8日鶏胚では骨膜性骨帯の石灰化が明らかとなった.しかし, 骨膜性骨帯直下の肥大軟骨領域はVonKossa染色陰性で, パラフィソ切片を用いたXMA分析法でも明らかなCaとPの存在は認められなかった.10日鶏胚脛骨では骨膜性骨帯開口部から血管を伴った間葉系組織が未石灰化の肥大軟骨領域に侵入し, 軟骨吸収が開始した.軟骨侵食部表面には単核の間葉系細胞が付着していた.その後, 軟骨の侵食は軟骨モデル中心部を両骨端へ向け進展し, 骨髄腔が形成された.14日鶏胚以後になると, 軟骨の侵食は軟骨モデル周辺部を両骨端へ向け指状に進展し, 16日鶏胚以後では軟骨吸収面に多核の軟骨吸収細胞が目立つようになった.また, microradiographyで観察すると, 16日鶏胚以後の脛骨では, 吸収部周囲の軟骨に石灰化が認められるようになった.さらに, 19日鶏胚脛骨になると明らかな軟骨内骨化がみられた.以上のように本検索で鶏胚脛骨の形成過程における経時的変化を形態学的に把握でき, そのなかで軟骨の動態が哺乳類と大きく異なり, 特徴的であることが確認できた.
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