プロスタグランジンE<SUB>2</SUB>の培養骨に対する骨吸収作用の程度について
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概要
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培養液に添加した各種濃度のPGE<SUB>2</SUB>と培養骨からのCaの遊離量の程度との関係を調べた.生後5日齢のCD-1系のマウスのcalvariaを取り出し, これにBGJьの培養液 (CM) (50 unitspenicillin, 50μg streptomycin, 10 units heparin 1ml CM含有) 1ml当り, PGE2を10, 20, 50, 100, 200, 300, 400ngをそれぞれ作用させ, 5%CO<SUB>2</SUB>-95%air, 37℃の気相下で2日ごとに培養液を交換して10日間培養した.2日ごとに回収した培養液中のCa含有率を測定した.その結果, 培養開始後2日目において, PGE<SUB>2</SUB>を培養液1ml当り50, 100, 200, 300, 400 ngを加えた場合に対照の場合とくらべ有意にCaの遊離量が増加していた (p<0.001).4日目においては, PGE<SUB>2</SUB>を培養液1ml当り10, 20, 50, 100, 200, 300 ngを加えた場合に対照の場合とくらべ, 有意に増加していた (p<0.001).6日目においては, 各実験群とも対照の場合とくらべCaの遊離の程度は増加の傾向を示したが統計学的には有意差を認めえなかった.その増加の程度は各実験群とも4日目の場合より低かった.8日目, 10日目においては各実験群とも骨からのCaの遊離の程度は6日目の場合より低く, その値は対照の場合とほぼ同じであり, 6日目の場合と同じく統計学的有意差を認めえなかった.経時的には各実験群とも培養開始後, 4日目において, Caの遊離量の程度が最も高く, とくにこの4日目のPGE<SUB>2</SUB>を培養液1ml当り50 ngを加えた場合のCaの遊離量の程度が最も高かった.これらの事実から培養開始後, 4日目においてPGE<SUB>2</SUB>を培養液1ml当り50 ng加えた場合にCaの遊離量の程度が最高となり, 培養した骨は培養開始後4日目まではPGE<SUB>2</SUB>に対する反応を強く示したが, 6日目以後はその反応が漸時弱くなり, 10日目になるとまったくPGE<SUB>2</SUB>に反応しないことが判明した.
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