当科における唾液腺腫瘍の臨床的検討
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概要
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今回われわれは, 1977年6月開院より1989年12月までの12年6か月間に, 当科で経験した唾液腺腫瘍45例について臨床統計的検討を行った.なお, 組織型分類は1972年のWHO分類に従い, 粘表皮腫と腺房細胞腫は潜在的に悪性の性格を有するといわれており, 悪性腫瘍に含めた.1) 45例中29例が良性腫瘍で, そのなかでは多形性腺腫が26例 (89.7%) と最も多く, 腺リンパ腫, 乳頭状嚢腺腫, 腺腫がそれぞれ1例ずつあった.悪性腫瘍は16例で, 9例が粘表皮腫, 4例が腺様嚢胞癌, 2例が未分化癌, 1例が腺房細胞腫であった.2) 男女比は全体で, 1 : 1.65, 良性腫瘍で1 : 1.64, 悪性腫瘍で1 : 1.67と女性に多くみられた.平均年齢は良性腫瘍で45.0歳, 悪性腫瘍では51.1歳であった.3) 発生部位は大唾液腺が14例, 小唾液腺が30例, 下顎骨1例であり, 口蓋に発生したものが17例と最も多かった.4) 治療は良性腫瘍では切除が14例, 摘出が11例, 4例が未治療であった.そのうち20例が追跡調査可能で, 全例に再発は認められなかった.悪性腫瘍では14例に手術を施行し, 8例に化学療法, 2例に化学療法と放射線治療を, 1例に放射線治療を併用した.そのほか化学療法単独1例, 未治療1例であった.1990年12月現在の予後はA<SUB>o</SUB>10例, A<SUB>c</SUB>1例, D<SUB>c</SUB>3例, D<SUB>o</SUB>が1例であった
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昭和大学・昭和歯学会 | 論文
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