歯列を含むパラトグラムの画像処理による調音異常の評価:口蓋裂患者の補綴処置経過中の観察
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概要
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口蓋裂症例について咬合改善処置に伴うパラトグラムの変化を画像処理法によって観察し, パターンの異常の程度を数値化して比較した.口蓋および歯列咬合面を覆う黒色の特殊塩化ビニールによる記録板にアルジネートの粉末を散布し, 口腔内に装着して被験音を発音させる.舌の接触部の粉末が湿って透過し, 黒色となる (パラトグラム).これをCCDカメラによって録画する.この操作を同一一被験音について5回繰り返した.この画像を画像処理装置 (TVIP-20000日本アビオニクス社製) に入力し, 画像解析および計測を行った.まず5枚中3枚に共通する部分のみを抽出し, これをその時点でのその個人の平均的パターンとした.これらのパターンを3名の検者が観察して異常度の評価を行った.すなわち, 1) 口蓋部, 2) 歯列部, 3) 音産生上の重要部について, それぞれ, a;外形異常, b;接触不足, c;接触過剰の程度を, 異常無し (0), やや異常 (1), かなり異常 (3), 全く異常 (5) の4ランクに分けて記録し, 3名の検者の平均値を求めて異常指数とした.唇顎口蓋裂患者5名について補綴処置前 (有), 仮義歯装着時 (B), 最終義歯装着時 (C) の3段階で評価を行った.その結果, パラトグラム異常度は一般的には術前に大きく, 仮義歯, 最終義歯の順に減少し, 多くの場合には正常パターンに近付いた.
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