顎変形症の頭蓋顔面パタンの統計学的検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は, 昭和大学歯科病院において外科的矯正治療を必要と診断された症例の頭蓋顔面パタンを定量的識別法により分類し, 併せて, その定量的識別に基づいて, 日常臨床に応用できる顎変形症の診断モデルを作成することである.研究は当病院にて外科的矯正治療が必要と診断された女子74名を対象とし, それらの側貌頭部X線規格写真を資料として, 主成分分析, クラスター分析, 判別分析を行った.主成分分析により対象患者74名の頭蓋顔面パタンを解析したところ, 第1主成分は下顔面の高さに関与する成分, 第2主成分は上下顎骨の歯槽基底部前縁の位置, 下顎骨の大きさ, 下顎の回転に関与する成分であった。次に, これらについてクラスター分析による定量的分類を行ったところ, 大きく3グループに分類された.これら3グループはlongface群, short face群およびlong face・short faceの混合群に分i類された.これら3グループをもとに線形判別分析を行ったところ, 側貌頭部X線規格写真分析項目5変数 (SNA, Occlusal plane angle, Mo-Mi', N-ANS, Pog'-Go) が有効変数として選択され, 正診率は90.5%であった.このクラスター分析による分類は外科矯正手術を施行するにあたり, 総合的, 客観的資料による類似症例検出に利用できるものと思われる。
- 昭和大学・昭和歯学会の論文
昭和大学・昭和歯学会 | 論文
- ヒト歯根膜細胞中に存在するアルカリフォスファターゼ陽性細胞と陰性細胞の特徴
- 併用再生治療の臨床的効果
- 培養ヒト歯根膜細胞における各種腱・靱帯マーカー遺伝子の発現制御
- Thy-1分子が歯肉線維芽細胞のコラーゲン貪食に及ぼす作用
- 培養ヒト歯根膜細胞における Twist と各種 BMP antagonist の発現制御