塩化ベリリウムのラット培養骨細胞のアルカリ性フォスファターゼ活性に及ぼす影響について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
塩化ベリリウム (BeCl<SUB>2</SUB>) のラットのカルパリアの培養骨細胞内のおもにアルカリ性フォスファターゼ活性に対する影響について調べた.生後1日齢の両性ウィスター系ラットのカルバリアから酵素消化法により骨細胞を採取し培養した.骨細胞の増殖に対する10,100μM BeCl<SUB>2</SUB>の影響は, 細胞数では10μM BeCl<SUB>2</SUB>群では培養7日目から, 100μM BeCl<SUB>2</SUB>群では培養3日目から対照群とくらべ有意に減少した (<I>p</I><0.01).ALPase活性は, 10μM BeCl<SUB>2</SUB>群では培養5, 7, 9, 11日目で, 100μM BeCl<SUB>2</SUB>群では培養5, 7, 9日目で, それぞれ対照群とくらべ有意に上昇した (<I>ρ</I><0.01).Connuenceに達した培養骨細胞に12.5, 25, 50,100,200μM BeCl<SUB>2</SUB>を添加した場合の細胞数は培養7日目では100,200μM BeCl<SUB>2</SUB>群で対照群とくらべ有意に減少し (<I>ρ</I><0.01), 培養9日目では25, 50,100,200μM BeCl<SUB>2</SUB>で対照群とくらべ有意に減少したく<I>ρ</I><0.01). ALPase活性は培養17日目では50,100,200μM BeCl<SUB>2</SUB>群で, 培養9日目では25, 50,100μM BeCl<SUB>2</SUB>群で対照群とくらべ有意に上昇した (<I>ρ</I><0.01).Confluenceに達した培養骨細胞に100μM BeCL<SUB>2</SUB>と0.75 mMチミジンまたは1μg/mlシクロヘキシミドを添加した場合のALPase活性は, チミジン単独で添加するとALPase活性の上昇はみられないが, これにBeCl<SUB>2</SUB>を加えると有意に上昇した (<I>ρ</I><0.01).またシクロヘキシミドを添加すると, BeCl<SUB>2</SUB>によるALPase活性の上昇は阻止された.Connuenceに達した培養骨細胞に12.5, 25, 50,100,200μM BeCl<SUB>2</SUB>を添加し, L-4, 5 [<SUP>3</SUP>H] Lysine (1μCi/シャーレ) を用いてタンパク合成を調べてみると, 培養7日目では50,100μM添加群で, 培養9日目では12.5, 25μM添加群で対照群とくらべ有意に促進した (<I>ρ</I><0.01).以上のことから培養骨細胞にBeCl<SUB>2</SUB>を添加すると細胞増殖が抑制されるにもかかわらず, ALPase活性は増加し, この増加にはタンパク合成が関与していることが示唆された。
- 昭和大学・昭和歯学会の論文
昭和大学・昭和歯学会 | 論文
- ヒト歯根膜細胞中に存在するアルカリフォスファターゼ陽性細胞と陰性細胞の特徴
- 併用再生治療の臨床的効果
- 培養ヒト歯根膜細胞における各種腱・靱帯マーカー遺伝子の発現制御
- Thy-1分子が歯肉線維芽細胞のコラーゲン貪食に及ぼす作用
- 培養ヒト歯根膜細胞における Twist と各種 BMP antagonist の発現制御