血清中の枸櫞酸, カルシウム及び無機燐酸濃度に対する葡萄糖並に果糖注射の影響
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概要
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健康な成年男子被検者5名に付き, 葡萄糖及び果糖を静脈内に注射し, 血清中の枸櫞酸カルシウム, 無機燐酸の消長を調べ次の様な結果を得た.<BR>1.果糖注射後の血清枸櫞酸量は葡萄糖注射後の値に比べて上昇度が大きく, 叉葡萄糖注射では漸次減少し, 注射後120分では注射前の値よりも低い値を示している.<BR>2.果糖及び葡萄糖注射により血清無機燐酸は減少するが, 果糖注射後には速かに注射前の値に復帰するのに, 葡萄糖注射では2時間後にも倚復帰しない傾向が見られた.<BR>3.果糖及び葡萄糖注射に伴う血清カルシウムの変動は無負荷時の動揺に比べて有意な差異を示さなかつた.<BR>4.以上の成績より, 日常治療に用いられる普通の果糖, 葡萄糖の少量の注射によつても, 血清中の枸櫞酸無機燐酸の時聞的経過に差異があり, 先人の報告による解糖過程及び他のKrebsのサイクルの構成諸因子の変動と綜合して観察すると, 果糖と葡萄糖の代謝経路には質的な相違があるものと推論される.
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