シンポジウム 現代社会における結婚の意味とはなにか (特集 現代社会における家族ならびに結婚の意味を問う--Part1 現代社会における結婚の意味とはなにか)
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概要
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届出に象徴される社会的制度としての結婚が日本では一般的なものとなっているが,しかし,晩婚化や婚姻外の性関係の広がり,子どもをもたないカップルの増加,中高年の離婚の増加などは,われわれに結婚とはなにかを問うている。われわれは,性別分業にささえられた近代家族型の結婚の揺らぎを体感しつつも,その次にくる脱近代家族のイメージを確立することができずにいる。シンポジウムでは,この領域で活躍されている4人の論者を迎え,近代社会における婚姻制度とそれを支える理論に対する立場を軸として,討論が展開された。①近代結婚理論と脱近代的家族論との対峙が本格的になされたこと,②同性間パートナーシップに関する議論が,家族社会学会のなかで初めて本格的になされたこと,③2者パートナー関係に特権的な位置を与えない未来社会の可能性が示されたこと,の3点において,意義のある成果がみられた。今後,脱近代社会における子どもの位置や親密関係について,議論が深まることが期待される。Legal marriage is popular in Japan, however, increasing of late marriage, sexual behavior out of marriage, divorce rate in middle and old age put up a question to family sociologist, "what is marriage?" We know changing of legal marriage and disruption of families based on sexual division of labor in Japan but we don't exactly know forms of forthcoming postmodern families. In the symposium we had four speakers who were expert in this field and discussed why we marry, why we legislate own marriage and what actually marriage is. The discussion was focused on modern family and post-modern family. The results of the symposium were, 1) the confrontation between modern marriage and post-modern marriage was found for the first time at the JSFS symposium. 2) There was an earnest discussion on homosexual partnership. 3) We found that there would be no special priorities on intimate partnership in the post-modern society. We should expect further discussions concerning intimate relationships and the state of children in post-modern society at the next symposium.
- 日本家族社会学会の論文
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