Nd: YAGレーザー照射とフツ化物塗布の併用による歯根面の耐酸性付与に関する研究
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概要
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本研究の目的は, Nd: YAGレーザーとフッ化物を併用し, 根面の耐酸性が増加することが可能であるかを検討することにある。矯正治療にて便宜抜去された健全な34本の小臼歯を被験歯として用いた。そのうち20本をセメント質用に, 14本を象牙質用に分けた。セメント質用においては, 歯根面に付着した残存歯根膜線維を5%次亜塩素酸ナトリウム溶液を用いて除去した。象牙質においては, カーボランダムポイントによりセメント質を除去後さらにサンドペーパーを用いて歯根面を平坦にした°各被験歯の歯根面に (比較的平坦なセメント質と象牙質) 実験部位 (A, B, C, D, E) を設定した。Aをコントロール群 (Negative control), Bを30mJレーザー照射群, c, D, Eをそれぞれ50mJレーザー照射群, 酸性フッ素リン酸溶液群 (以下APF群と略す) (Positive control), 50mJレーザー照射+APF群 (以下併用群と略す) とした。レーザー照射条件は10ppsで30mJ30秒, 50mJ30秒の2条件で行った。この条件で被験歯にレーザーを1回照射しその後, 併用群においては, APF溶液を塗布後, 2分間放置した。コントロールに相当するAPF群も同様にAPF溶液塗布後2分間放置した。各被験歯の実験部位に1mm×1mmの正方形になるように1カ所ずつネイルバーニッシュを用いてウインドウを作成した。脱灰液には, 酢酸ナトリウム-塩酸緩衝液 (酢酸1.4M, pH2.3) を用いた。脱灰液中に溶出したカルシウム量の測定は, 原子吸光分光分析装置を用いた。耐酸性は, 溶出されたカルシウム量をウインドウ面積で割ることで単位面積あたりのカルシウム溶出量として算出した。セメント質においてはレーザー照射群, APF群においてコントロール群と比較して, 有意な差が認められたもののレーザー照射群とAPF群との併用においては有意な差は認められなかった。一方, 象牙質においてはレーザー照射群, APF群において有意な差が認められ, さらにレーザー照射群とAPF群との併用においても有意な差が認められた。以上より露出根面のう蝕予防にNd: YAGレーザ照射とフッ化物の併用の有効性が示唆された。
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