キチン膜の組織再生誘導法への応用に関する基礎的研究 : ラット背部皮下への埋入による病理組織学的検索
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概要
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組織再生誘導法 (GTR法) に使用する吸収性膜への応用について検討するために, キトサンをN-アセチル化してキチン膜を作製した。本実験ではキチン膜をラット背部皮下に埋入して, その生体親和性と生体内吸収性を検索した。実験には厚さ0.25mmと0.10mmの2種類のキチン膜を使用し, それぞれ埋入後1, 4, 8, 12, 48週経過例について病理組織学的に観察した。その結果どちらの膜も埋入後12週経過例までは組織学的に膜構造が明瞭で, 周囲組織に限局した軽度の炎症性細胞浸潤をともなう線維性結合組織の増生と, 貪食系細胞が観察された。さらに48週経過後でも膜は完全には吸収されず部分的に断片化していたが, 周囲の炎症性細胞浸潤は軽度であった。これらの結果から2種類のキチン膜のいずれも安定した生体親和性を有することが確認されたが, キチン膜の吸収時期についてはなお検討する必要があると思われた。
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