歯肉炎の発生に対する口呼吸の影響 : 口腔内気流の可視化模型実験について
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概要
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口呼吸における口腔内外の気流の実態を把握するために, 流体力学的手法を用いて流れの可視化を行った. 可視化実験に先立って, 銅板製のヒト口腔3倍大矢状断模型で等電位線の測定を行い, 口腔内外の気流の傾向や概略が推測できた. 引き続いてプラスチック製の口腔模型を用いて, 色素法やアルミ粉トレーサー懸濁法による水流実験を行った. その結果としては, (1) 口腔に流入する空気は, とくに下唇下方からの流れが直接皮膚面に沿って進入する. (2) 口呼吸時の吸気の方向や速度は, 上下切歯の植立角度や開口度, また被蓋関係に強く影響される. (3) 前歯の被蓋関係が正常な場合, 上下切歯の切歯間を高速で通過した層流は, その幅を拡げることなく, 上顎切歯の口蓋面に沿って進み, この歯の歯肉に衝突したのち, 大部分は口蓋から若干離れて咽頭へ進む. (4)流れの可視化法は口呼吸の実態解明にきわめて有効な方法であると考える.
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