培養骨芽細胞MC3T3-E1におけるフェニトインの分化促進作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
フェニトイン (ジフェニルヒダントイン, DPH) はてんかん治療に用いられている抗けいれん薬であり, 副作用の一つとして骨形成促進現象が確認されている。しかしながら, DPHが骨芽細胞に及ぼす影響に関する細胞レベルでの詳細な現象および作用機序は十分に明らかにされていない点が多い。本研究では, DPHが骨芽細胞の分化機能発現に及ぼす影響をMC3T3-E1細胞培養系を用いて, 石灰化骨様結節 (BN) 形成, アルカリフォスファターゼ (ALPase) 活性, DNA量, およびオステオカルシン (OCN) とオステオポンチンOPN) のmRNA発現を指標として検討した。培養開始からDPHを連続的に20日間作用させた場合, BN形 (成, ALPase活性はそれぞれ10〜50μM, 10〜100μMの範囲で濃度に依存して増加した。細胞増殖に及ぼす影響として, 50μMDPHは, 5, 10, 15日目で細胞DNA量を増加させたが, 最終的な細胞飽和密度には影響を及ぼさなかった。培養期間を変化させてDPHを作用させると, 培養前期 (細胞増殖期) に添加した場合よりも培養中期 (基質合成期) に添加した場合にBN形成の促進が著明に現れ, 200μMDPHで最大効果が認められた。OCN, OPNmRNA発現は200μMDPHを培養開始から20日間連続的に作用させた場合に著明に増強され, その作用はBN同様に培養中期に添加した場合に効果的であった。以上の結果から, DPHはMC3T3-E1細胞においてALPase, OCN, OPNといった骨芽細胞分化指標の発現促進を経てBN形成を増加させることが明らかとなり, この作用は主に基質合成が活発な培養中期にDPHが効果を発揮した結果であることが示唆された。
論文 | ランダム
- 安らかな最期を迎えるために 手紙でひもとくスピリチュアルケア(14)愛するということ
- 安らかな最期を迎えるために 手紙でひもとくスピリチュアルケア(10)マザーリーフ
- 安らかな最期を迎えるために 手紙でひもとくスピリチュアルケア(12)尊厳ということ
- 安らかな最期を迎えるために 手紙でひもとくスピリチュアルケア(9)Y子さんの7年史
- 安らかな最期を迎えるために 手紙でひもとくスピリチュアルケア(8)思いやりやいたわり