蔗糖含有飼料飼育およびPorphyromonas gingivalis感染によるハムスター実験的歯周疾患モデルの検討
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概要
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絹糸を歯頸部に結紮し, <I>Porphyromonas gingivalis</I>の感染および蔗糖含有飼料 (D2000) で飼育する実験的歯周疾患モデルを作成し, 骨吸収量, 破骨細胞数, 細菌叢を比較検討した。実験開始3週前にハムスターの下顎第1臼歯歯頸部に絹糸を結紮し, 実験開始とともに絹糸を切除, 再結紮した後, 通常飼料 (CE-2) 飼育群, CE-2で飼育し<I>P.gingivalis</I>を感染させた群, D2000飼育群, およびD2000で飼育し<I>P.gingivalis</I>を感染させた群の4群に分けた。その結果, 実験開始後4週の歯槽骨吸収量は, <I>P.gingivalis</I>感染群あるいはD2000飼育群では, 対照とした<I>P.gingivalis</I>非感染群あるいはCE-2飼育群より大きく, D2000飼育<I>P.gingivalis</I>感染群が最も大きかった。各群の歯槽骨周辺の破骨細胞数は実験期間を通じてCE-2飼育群が最も少なく, D2000飼育<I>P.gingivalis</I>感染群が最も多かった。各群の実験開始後1週の歯肉縁下プラークからはグラム陰性桿菌と共にグラム陽性球菌およびグラム陽性桿菌が認められたが, 実験開始後4週ではグラム陰性桿菌が大部分を占めた。CE-2飼育あるいはD2000飼育した<I>P.gingivalis</I>感染群から回収される<I>P.gingivalis</I>の菌数は, 実験開始後1週では培養可能な細菌の約3〜5%を占めたが, 実験開始後4週では約35〜37%に増加した。