歯周病患者歯肉溝滲出液中に検出されるvascular endothelial growth factor (VEGF) とその変動
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概要
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Vascularendothelialgrowthfactor (VEGF) は血管透過性を亢進させる因子として知られたタンパク質である。歯周病患者の歯肉溝滲出液 (gingival crevicular fluid: GCF) 中のVEGFの量を測定し, 歯周局所におけるVEGFの変動を検索した。成人性歯周炎患者17名 (男性5名, 女性12名) より, 上顎前小臼歯部34部位選択した。Baseline (SRP前), SRP2週間後, 1ヵ月後, 2ヵ月後にprobing Pocket depth (PPD), bleeding on probing (BOP), plaque index (PII), gingival index (GI), probing attachment level (PAL), GCF量を測定した。GCF中VEGFの定量はsandwich enzyme-linked irnmunosorbent assay法を用いた。Baseline時では, VEGF総量はPPD, PAL, BOPと相関が認められた。SRPを行った部位における経時的変化では, 2週間後のVEGF濃度でのみ, SRP後2ヵ月後におけるROP (+) とBOP (-) 群に有意な差を認めた。VEGF総量は歯周炎の病態と相関を示し, VEGF濃度はSRP2ヵ月後に改善が認められた群で低い値を示すことが明らかになった。