ブレンドゴムの物性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
今日ほとんどのゴム製品がエラストマーブレンドであるといっても過言ではない。ブレンドゴムの物性は,ゴム間の相溶性の程度も大切だが,共加硫および補強剤の分配が問題となる。異種ゴムの機械的混合ではほとんどが相分離であり,不連続相の粒子径の大小が大切である。相分離でも各相成分の均衡した加硫および異相界面間の共橋かけにより相溶の場合と同じような物性を示す。共加硫は異相界面を通しての加硫剤の拡散により大きな影響を受ける。たとえば高不飽和ゴム(汎用ゴム)と低不飽和ゴムのブレンド物のイオウ加硫系は通常後者の加硫が行なわれないために物性も低い。これは主として加硫剤の拡散のため共加硫が行なわれにくいからであろう。またカーボンブラックなどの補強剤はブレンドゴムの両成分に均等に分配されないことが多く,これは物性に大きな影響を与える。共加硫,加硫剤の拡散,充テン剤の分配など研究の緒についたばかりなのでこれらの問題点を中心にブレンドゴムの総説を試みた。
- 社団法人 高分子学会の論文