荷電膜における Mass Movement
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概要
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電解質溶液が荷電膜によって隔てられているとき,膜の性質,電解質の種類,および与えられた外部条件によって多種多様な現象を呈する。これは考えている系が荷電系であること,および多相系であることの二つの特徴によって濃度差,温度差,圧力差などが複雑に観測量に寄与するからである。その事情を説明するために,最も簡単な条件,すなわち濃度だけ異なる1:1型電解質溶液が膜を通るときの浸透速度を例としてとりあげる。膜が電荷をもっていると溶液の浸透速度は常識とは全く異なり,異常浸透を起こす。この系をどのように考えるか,溶媒と溶質の相互拡散や電気浸透など各項の寄与をどうやって算定するか,そして,一見異常とみられるこの系の浸透速度をどのように解釈するかを解説する。
- 社団法人 高分子学会の論文