結晶性高分子の延伸に伴う構造変化 : ―特にネッキング発生までの領域について―
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概要
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結晶性高分子固体の変形に伴う構造変化を明らかにすることは,結晶性高分子の一次元あるいは二次元に延伸加工された繊維あるいは皮膜成形品の物理的,力学的性質を理解する上に,あるいはそれらの製造工程の管理の上に重要であるばかりでなく,逆に結晶高次組織(たとえば球晶組織)といった複雑な構造の解析手段としても重要な課題である。したがって現在までこの方面の研究は多くの手段により数多くなされている。最近では結晶性高分子の単結晶の変形を通じて,結晶部分の基本的な変形機構が次々と解明されつつある。しかしながら通常の皮膜あるいは成形物は何らかの結晶高次組織を含み,その結晶部分の構造はかなり明確となってきたが,非晶部分あるいは非品部分と結晶部分との相互関係といった構造的に依然として不明確な部分を含み,単結晶の変形の知識を巨視状固体のそれに導入するにもその道ははるけくも遠い現状にある。この小稿では前半は結晶性高分子の変形機構を結品高次組織(主として球晶)を中心に,ネッキソグが発生するまでの変形領域について現在までなされた多くの研究の整理を試み,後半は形態学的な知見と微結晶および非結晶鎖の配向挙動との関連性あるいは力学的性質の理論的な解析への糸口として球晶変形のモデル的取扱について記したい。
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