重合反応の素反応速度論
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概要
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重合反応の研究における1960年代の業績は新しい重合に関する事実の集積に終った。この形式の研究は開拓時代の尖兵たりうるものではあるが,高度の効果を継続的に発揮し続けるというわけにはいかない。研究の方法を指定すると,特徴的な成果をあげうるが,同時に,特有の欠陥による能力の限界を越えることはできないのである。著者らは「高分子化学研究の物理化学的方法」を確立することを目的として,「重合反応の速度論と機構論」を学ぶべく,蓄積された知識を整理し,組み立てられた重合化学現象を解析して素反応速度を決定し,それらと成分の構造との関係を低分子反応との関連において研究している。著者らの方法論は,当面の新開発を約束するものではないであろうが,1970年代の重合化学の開発に直接的に寄与すること,および関連する低分子反応論の研究に役立つことを期待して取り組んでいる。読者のご批判を請う次第である。