直接塗抹のZiehl-Neelsen染色と集菌塗抹の蛍光染色の比較
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概要
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〔目的〕集菌塗抹の蛍光染色(以下,集菌塗抹)と直接塗抹のzieh1-Neelsen染色(以下,直接塗抹)の感度および塗抹グレードを比較したデータを示し,以前の報告での「喀痰2回の集菌塗抹の蛍光染色の感度および塗抹グレードは,従来の喀痰3回の直接塗抹Ziehl-Neelsen染色の感度と同等かそれ以上である」という主張を補強する。〔対象と方法〕2003年1月1日〜2005年9月30日の間にわれわれの所属する病院で行われた抗酸菌検査の後ろ向き調査.〔結果〕同一の喀痰検体で直接塗抹と集菌塗抹の両方を行った899検体中少なくともどちらか一方で陽性であった170例のうち,集菌塗抹陽性検体は167例(98.2%),直接塗抹陽性検体は113例(66.5%)で,前者で有意に陽性率は高い(p<0.001)。集菌塗抹と直接塗抹の両者で陽性の110例中.集菌塗抹結果のほうが直接塗抹よりも塗抹陽性度が高いものは65例(59.1%),直接塗抹結果のほうが集菌塗抹よりも塗抹陽性度が高いものは3例(2.7%)で,集菌塗抹で有意に塗抹陽性度が高い(p<0.001)。〔結論〕塗抹陽性率および塗抹陽性度の点において集菌塗抹は直接塗抹の感度よりも高い。以前の報告を考慮した場合,2回の集菌塗抹の感度は3回の直接塗抹と同等かそれ以上である可能性が高い。