武蔵野クリーンセンター既存焼却施設における廃プラ混合焼却開始後のダイオキシン類の挙動
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概要
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1983年に日本の都市ごみ焼却炉フライアッシュからダイオキシン類が検出されて以来,ダイオキシンの問題が注目されるようになった.一方,最終処分場用地はますます限定されるようになった.これらの点から,武蔵野市では2002年と2003年に廃プラスチック類の混合焼却試験を行い,ダイオキシン類排出濃度の測定結果に基づき,2003年10月から廃プラの可燃ごみとしての混合収集とその焼却を開始した.本研究では,混合焼却開始後のダイオキシン濃度の変化を継続的に測定した結果を報告するとともに,1999–2000年のバグフィルタへの改修以前の1996年から蓄積されていたそれらのデータとの比較を行った.その結果,混合焼却試験時にみられた煙突からの排出濃度が集塵器出口より高いとの現象はその後も観測されたが,煙突からの排ガス中のダイオキシン濃度は徐々に下がり,最新の2009年の測定平均濃度は0.011 ng–TEQ/m3N(酸素12%換算,3炉平均)と,廃プラスチック類を焼却する前の2000年の0.97 ng–TEQ/m3Nと比べて2桁程度小さく,集塵器出口濃度とほぼ同一の値にまで至った.過去の高濃度ダイオキシンが集塵器から煙突に至る煙道の停滞部に蓄積し,これが徐々に再放出されたが,十年を経過しようやく煙突からの排出ダイオキシン濃度が集塵器出口の濃度程度まで減少してきたものと推察された.
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