掻痒感の軽減に鍼治療が有効であった好酸球性血管性浮腫の1症例
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概要
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好酸球性血管性浮腫 (EAE) は, 末梢血好酸球増加, 皮膚組織への好酸球浸潤等を伴う血管性浮腫や蕁麻疹等を愁訴とする原因不明の疾患である。症例: 25歳の女性, 主訴: 皮膚掻痒感。病歴: 2002年10月中頃, 四肢の浮腫及び紅斑を伴う掻痒感が出現して明治鍼灸大学附属病院内科を受診し, 好酸球数とLDHの増加を認めた。抗アレルギー薬等を服用したが, 症状の改善が得られず, 〓に同科に入院し, EAE (Nonepisodic Type) と診断された。現症: 前腕や下腿内側を中心とする全身の掻痒感及び紅斑と四肢の浮腫, 両側の手・足関節の腫脹・疼痛。白血球は11850/mm3好酸球は64.2% (7610/mm3)。入院後も掻痒感の軽減が得られないため鍼治療の併用を開始した。鍼治療日には掻痒感が軽減し, 鍼休止日には増悪した。経過に伴い鍼休止日の掻痒感や浮腫も次第に改善し, 好酸球数, LDHが減少した。