本邦における多発肝嚢胞症のアンケート調査
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概要
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多発肝嚢胞症は肝内に多数の嚢胞を形成し,嚢胞数の増加,嚢胞の巨大化により肝腫大をきたす遺伝性疾患である.比較的まれな疾患であり治療法のコンセンサスは得られていない.今回我々は本邦における多発肝嚢胞症患者の実態を把握するため全国490施設に対しアンケート調査を行った.症例数は422例であり,223例(53%)に治療が行われていた.治療適応となった症状は腹部膨満が73%と最も多かった.実施された治療法は,嚢胞内容穿刺吸引,肝切除,嚢胞開窓術,肝移植の順で多く,それぞれ全患者数の27%,12%,9%,3%であった.治療効果ありと回答された割合はそれぞれ77%,96%,92%,100%であった.初回治療が無効と評価され,他の治療法が追加で行われた症例は4.3%であった.多発肝嚢胞症は様々な治療法が行われているもののその約9割では治療効果を認めており,現在行われている治療法の選択は妥当であると考えられた.
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