オフィスビルのファサードを対象としたデザイン発想支援システムの開発IDES (Interactive Differential Evolution with Score) の提案
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概要
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1.目的建築分野をはじめ様々なものづくりの分野において形状・形態はデザイナーの手によって考案されている.しかしながら,その発想範囲はデザイナー固有の教育・環境等の背景に依存しており,発想を制限されてしまう弊害が指摘されている.建築物のファサードは特に訪問者の印象を左右しデザインの良し悪しのイメージが非常に重要であるため,ファサードの成り立ちや歴史等の様々な研究・知識化が行われているが具体的なデザインイメージに結びつくシステムとはなっていない.そのためファサードのディテールまで表現し設計者の嗜好を考慮しつつ,設計者の従来の発想を打破するような新たな方向性のデザインを創生する発想支援システムがあれば有効である.本研究の目的はオフィスビルのファサードを対象とし,設計者に新たなデザインに対する「気づき」を与える発想支援システムの開発を行うことである.既往研究では,IDEの評価個体数の違いについての検証を目的としたが,本稿では,効率良く多くのバリエーションのデザイン創生を目的とし,IDEをベースとし,多様性を持たせたアルゴリズムIDES(得点対話型差分進化:Interactive Differential Evolution with Score)を提案する.IDEと比較し,IDESの個体の多様性とシステムの有効性について検討を行う.2.手法現存するオフィスビルの画像を収集し,比較分類することにより形態要素を58個抽出し,その58個の形態要素を個体ベクトルに置き換えることによりIDE,IDESのアルゴリズムに組み込み,VRMLを用いて3D画像によりファサードを表現するシステムを構築した.本システムの検証については主に建築を学んでいる被験者20人を対象に検証を行った.3.結論多様性を持たせるために提案したアルゴリズムIDESはIDEと比べ重複のない異なるデザインが8割方創生された.また「とても良い(2点)」の個体はIDEと比べて2倍程出現させることができ,本システムの目的である発想支援として有効なアルゴリズムとなることを示すことができた.形態要素の妥当性について様々なバリエーションを持ち,かつ現実的なデザインが創生されていることから既往研究で抽出した形態要素は妥当であるといえる.
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