オートファジーたよる防御システム: 細胞内の細菌排除機構
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概要
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細胞内に侵入する病原性細菌やウイルスなどの分解機構としてオートファジー (自食作用) が注目を集めている。オートファジーは本来の生理的な機能としては, 飢餓時の細胞内のアミノ酸レベルの定常性を保つための, 小器官, タンパク質の分解システムと考えられてきた。飢餓時に隔離膜と呼ばれる膜が形成され, 細胞質を取り囲んでリソソームへ輸送するための機構である。本来は, 細胞質内の非選択的な分解機構であるオートファジーが, 細胞質内に侵入したA群レンサ球菌や結核菌を特異的に取り囲んで, 分解することが明らかとされてきた。さらに, 代表的な細胞内寄生性細菌である赤痢菌では, 巧妙にこのオートファジーによる認識からも逃れることも示されている。オートファジーが従来考えられてきたように生理的な代謝を司るだけでなく, 自然免疫系の一端として機能していることが明らかとされつつある。
- 日本細菌学会の論文
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