SDA患者における臼歯部咬合支持の喪失と口腔関連QoLとの関係
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概要
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短縮歯列 (Shortened Dental Arch: SDA) 概念を提唱した, Kayser等による一連の研究により, 一定の条件を満たしていれば臼歯部に欠損が生じても患者の主観的な口腔健康状態は大きく損なわれないことが示されている.<BR>近年, 患者の口腔健康状態の評価指標として口腔関連QoLが重要視されているが, SDA患者を対象とした報告は見当たらない. そこで, 本マルチセンターリサーチにおいて臼歯部咬合支持の喪失と口腔関連QoLの関係についての横断研究を行った.<BR>被験者は本マルチセンター・リサーチに参画した6大学において連続サンプリングされたSDA患者115名である (2006年6月, 1ヶ月間;平均年齢58.5±100歳, 女性71%). 各被験者の欠損歯数. 歯種を調べ喪失したOcclusal Unit: OU数 (小臼歯の咬合=10U, 大臼歯部=20U, 最大120U) を算出し欠損OU値とした. 口腔関連QoLの評価には日本語版Oral Health Impact Profile (OHIP) を用いその合計値を算出した. 統計分析は, 欠損OU値を独立変数OHIP合計値を従属変数として線形回帰分析を行った. さらに, OUの欠損パターンによりSDA患者をグループ化しOHIP合計値のグループ間比較を行った.<BR>線形回帰分析の結果, 欠損OU値とOHIP合計値の問に有意な正の相関が認められた. また, グループ間比較の結果, 欠損が第2大臼歯に限局しているグループのOHIP合計値は他のグループより有意に低くなった. また, 第1大臼歯OUが残存するグループのOHIP合計値は大臼歯をすべて喪失したグルー・プより有意に低かった (p<0.05).<BR>以上の結果よりSDA患者の口腔関連QoLは, 臼歯部咬合支持の喪失により低下することが明らかになり, 特にその傾向は第1大臼歯の咬合支持を失った場合に顕著であった.
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