酸化ジルコニウムセラミックス用レヤリング陶材の熱膨張に関する研究
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概要
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目的: レヤリング法により製作するオールセラミック修復では, クラック発生を防止し, 強度のある修復物を製作する上で, コア材と前装用陶材の熱膨張率関係が重要であると考えられている.そこで, 酸化ジルコニウムを応用したオールセラミックシステム (cercon<SUP>®</SUP>smart ceramics, Degu Dent) で使用するコア材および前装用陶材について, 加熱時・冷却時の熱膨張の測定を行った.<BR>方法: 熱膨張の測定は, ISO規格9693に準じて行った. 試料数はコア材5個, 前装用陶材はデンティン色およびエナメル色を各10個, 合計25個用意した. コア材はCAMマシーンにてスキャニング後, 焼結を行った. 前装用陶材は, 焼成回数が2回と4回の試料を各5個製作した. 測定は, 赤外線縦型熱膨張計を使用し, ISO規格に準じて行った, 加熱時と冷却時の熱膨張収縮係数を算出し, その平均値の比較を行った.<BR>結果: コア材の熱膨張収縮係数は, 加熱時・冷却時ともに10.8×10<SUP>-6</SUP>/℃ であった. 前装用陶材の熱膨張収縮係数は, 9.3-11.1×10<SUP>-6</SUP>/℃ の範囲であった. コア材の熱膨張収縮係数は, 前装用陶材との間に-0.3-1.5×10<SUP>-6</SUP>/℃ の差がみられた.焼成回数が2回と4回の場合では, ほぼ同じ値を示した.<BR>結論: コア材と前装用陶材は亀裂発生の可能性が少ない熱膨張関係であることがわかった.
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