船尾管軸受の設計条件を究明するための理論解析
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概要
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船尾管軸受は, その後に突出した軸の自由端に, プロペラの自重および水力の作用による外力が加わるので, 傾斜した荷重分布を持っ特殊な軸受であるが, 荷重分布の状態はあまりよく知られていない.<BR>筆者らは, 船尾管軸受を数個の軸受片に分割し, おのおのが非線形支持特性を持つバネ支持とし, 推進軸系全体を考慮した連続はりのたわみ曲線を求め, 船尾管軸受内の面圧分布を計算する方法を設定した.<BR>さらにリグナムバイタを使用した船尾管を持つ実船例について, 設計条件を系統的に変化させて計算した結果, つぎのことがわかった.<BR>(1) 軸系の自重のみを考え, 軸受高さを一直線上に配置した場合, 船尾管軸受後端の面圧は約25kg/cm<SUP>2</SUP>と推定される.<BR>(2) 自重以外に, プロペラの位置に力およびモーメントが作用すると, 船尾管内の軸のたわみおよび軸受荷重は大きく変化するが, 船内の中間軸受のあたりでは影響が小さい.<BR>(3) 軸受を軸のたわみ曲線に沿って傾斜させたり, 弾性支持することは荷重分布を均等化させるので, 局部面圧を軽減するのに有効であり, これにより軸受長さを現状よりも短くすることも可能と思われる.