ストレプトゾトシン誘発糖尿病ハムスターの齲蝕の重症化に関する研究
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概要
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感染に対する抵抗力が糖尿病患者において一般に低下していることは, よく知られている。しかしながら, 口腔の二大疾患の一つである齲蝕と糖尿病との関連性については, いまだ明らかでない。そこで本研究では, 3週齢雄性golden hamsterにstreptozotocinで誘発した糖尿病 (Diabetes mellitus) を発症させ, 実験的糖尿病モデルを作成し, この動物を用いて齲蝕の発症状況を検索した。さらにこの動物からpilocarpine刺激唾液を採取し, 唾液の分泌量, pH, lysozymeおよびチオシアン酸化型peroxidase活性を調べた。また糖尿病発症時における唾液中および血液中のglucose並びにlactate量の変動について観察し, 併せて歯牙エナメル質の酸脱灰に対する抵抗性についても検索した。<BR>その結果, SZ投与量を65mg/kg体重とし, 腹腔内に一回投与することにより, 生存率が高く, かつ糖尿病が明確に発症する実験モデルを作成することができた。齲蝕発症実験には, 高蔗糖含有の齲蝕誘発飼料の投与と, <I>Streptococcus sobrinus</I> K1-R株を接種した。その結果, 糖尿病動物の齲蝕スコアーはSZ非投与動物のそれに比して著しく高く, 齲蝕の重症化が認められた。しかしながら, 糖尿病動物におけるこの齲蝕の重症化は, SZ投与後2日から実験期間中に亘りlente insulinを投与することにより有意に抑制された。また糖尿病動物の唾液の分泌量およびpHに関しては, SZ非投与動物との間に有意差は認められなかった。なお唾液抗菌因子であるlysozymeおよびチオシアン酸化型peroxidase活性は, 糖尿病動物において有意に低下したが, 唾液中のglucoseおよびlactate量については, 著明な増加が認められた。エナメル質の酸脱灰に対する抵抗性に関しては, 糖尿病動物とSZ非投与動物の間に統計学的有意差は示されなかった。
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