歯周病と口臭物質前駆体
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概要
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口臭の主な原因は, 口腔内空気中の揮発性硫黄化合物であり, 歯周病の重症度とともに増加する。これは, 揮発性硫黄化合物産生菌が増加するためと考えられている。しかし, 揮発性硫黄化合物の前駆体となるジスルフィドおよびチオールの増加が口臭産生を促進する可能性も否定できない。そこで, 本論文では, 唾液や舌苔中のジスルフィドとチオールが歯周病の重症度とともに増加するか否かを検討した。<BR>被験者は起床時より, 飲食, 歯口清掃等を禁止し, パラフィン刺激唾液と舌苔を採取した。歯周病の評価は, 6点法によるプロービングを行い, 3mm以上のポケットの総計, その割合 (%), ポケットの深さの平均, およびその最高値を求めた。また, プロービングによる出血も診査した。<BR>唾液のチオールと歯周病の重症度の間には, 相関が認められなかった (n=39)。これは, チオールが元来反応性に富む基質であり, 唾液内での代謝が速やかであるためであろう。<BR>唾液中のジスルフィドは歯周病の重症度とともに増加した (n=39)。比タンパク質濃度も増加するので, これは, ジスルフィド含有量の高い白血球などのタンパク成分の増加によるものと推察した。一方, 舌苔中では, チオールおよびジスルフィドと歯周病の重症度との間には相関は認めなかった。<BR>唾液インキュベーション実験から, 唾液中のジスルフィドと揮発性硫黄化合物産生量の間に相関が認められた。これらの結果から, 歯周病における揮発性硫黄化合物の増加は唾液中ジスルフィドの増加による可能性が示唆された。
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