食品の歯垢pHにおよぼす影響とその個体差に関する研究 : 第1編 摂取後歯垢pH変化 (Stephan曲線) の定量的指標
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概要
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今回著者は, 食品の歯垢pHにおよぼす影響とその個体差についての基礎的研究として, 個体, 食品, 摂取時刻の3因子をL<SUB>9</SUB>型直交配列表に割付け, 食品摂取後の歯垢pH変化をニードル型ガラス電極を用いて追求し, その評価に最低pH, 最低pHに至る時間, 元のpHに回復する時間, および変化したpHの面積の4指標を用い, それらの有用性を検討することにより, 次の結果を得た。<BR>1. 一般的に, 食品を摂取することにより歯垢pHが低下し, 徐々に元のpHにもどる摂取後歯垢pH変化 (いわゆるStephan曲線) が得られた。<BR>2. 食品別の摂取後歯垢pH変化傾向は, 各食品間で異なっていた。すなわち, ポテトチップスはもっとも変化が少なく, オレンジジュースはpHが急激に低下し回復はすみやかの, 底辺が短く深さの深いV字型の変化を示した。チョコレートは徐々にpHが低下し, 回復も緩徐であった。<BR>3. 対象別の摂取後歯垢pH変化傾向は, 対象により異なっていた。すなわち, 食品摂取後の歯垢pH変化がわずかな対象と大きな対象とがあった。<BR>4. 対象 (個体), 食品, 摂取時刻因子においては, 前2者間の差が大きい傾向であった。以上より最低pH, 最低pHに至る時間, 元のpHに回復する時間, および変化したpHの面積の4指標は, 摂取後貨垢pH変化の定量的指標として有用であった。
著者
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