歯みがき動作の調整によるブラッシング指導効果について
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概要
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歯垢除去効果は歯みがき圧と歯みがき動作の回数との積に比例するので, 両者あるいはどちらか一方を意識して増加させることが歯垢除去効果を高める方法の一つであると考え, ブラウン管オッシログラフで各自の歯みがき圧曲線を観察させながら歯みがき圧を, またメトロノームの音にあわせて歯みがき動作の回数をそれぞれ指定してブラッシングさせたところ (前者の実験を歯みがき圧指定実験, 後者を歯みがき動作の回数指定実験と称す),<BR>歯みがき圧指定実験においては, 歯みがき動作の回数は歯みがき圧や歯みがき動作の回数を指定しないでブラッシングさせた (対照実験) 場合と大差は認められない (ただし, 歯みがき圧が小さいときには歯みがき動作の回数は歯みがき圧の増加に伴って増すが, 歯みがき圧がある一定値以上になると歯みがき動作の回数はかえって減少する傾向がある)。<BR>歯みがき動作の回数指定実験では, 歯みがき圧は対照実験におけるよりも大きい (しかし, 歯みがき動作の回数が大きいほど歯みがき圧は小さい)。<BR>歯垢除去効果率は, どちらの実験群においても対照実験の場合よりも大きくなるが, 歯みがき動作の回数よりも歯みがき圧を増加させるほうが増大するので, 他の条件が同じならば後者によるブラッシング法は歯垢除去効率のよいブラッシング法であると結論できた。
- 有限責任中間法人 日本口腔衛生学会の論文