<I>Streptomyces globisporus</I>由来の溶菌酵素の投与開始時期がハムスター齲蝕の抑制効果に及ぼす影響
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概要
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齲蝕原性連鎖球菌をはじめとする歯苔細菌に対し比較的広い抗菌スペクトラムをもつ<I>Streptomyces globisporus</I>1829株由来の溶菌酵素を, ハムスター実験齲蝕の際の飼料に混入し, この酵素含有飼料の投与開始時期を変える事により齲蝕抑制効果に差が現われるかどうかを検討した。<BR>ストレプトマイシン (1mg/ml培地) 耐性の<I>Streptococcus mutans</I> AHT-R株を日齢約30日, 平均体重41gの雄性golden hamster (米国NIH strain) に接種した。溶菌酵素は0.2%の割合 (w/w) で齲蝕誘発性飼料#2000に添加し, この酵素添加飼料の投与を菌接種前, 菌接種後5日目, 菌接種後12日目の3群に分けて開始し実験終了までの35日間継続した。実験終了後顎骨を摘出し, 上下顎臼歯部の歯苔形成量, 齲蝕の発生, 歯槽骨の吸収についてそれぞれ評価した。<BR>AHT-R株を接種したハムスターを飼料#2000で飼育すると, 臼歯歯面に歯苔が形成され齲蝕の発生が認められたが, 歯槽骨吸収は本研究においては認められなかった。溶菌酵素を0.2%の割合 (w/w) で添加した飼料#2000で飼育すると, 酵素無添加菌接種群に比して統計学的に有意の差をもって齲蝕の発生を減少させた。この場合, 酵素投与開始時期が早ければ早いほど齲蝕の抑制率は上昇した。なお酵素添加が飼料摂取および体重増加に及ぼす影響は示されなかった。
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