原発性肺癌術後に顕在化し,出血のコントロールとそれに続く膿胸の治療に難渋した後天性血友病Aの1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
症例は72歳,男性.2010年3月に肺癌に対して右肺上葉切除術+縦隔リンパ節郭清を施行し,pT2aN1M0,stage II Aの腺癌であった.術後第3病日と第13病日に右胸腔内出血をきたし,2度の開胸血腫除去術を施行した.精査にて第VIII凝固因子活性の低下を認め,また第VIII凝固因子に対するインヒビターが検出され出血の原因は後天性血友病Aと診断された.さらに無瘻性膿胸・敗血症をきたしたが,開窓術と慎重な全身管理により術後第243病日に退院した.後天性血友病Aが術後に顕在化することは極めて稀であるが,本例のごとく重篤な病態を招くこともあるため,術後に原因不明の出血傾向を認めた場合には本疾患の可能性を念頭に置く必要があると思われる.
論文 | ランダム
- 幼児期の子どもをもつ養育者の健康管理(1)父親と母親の家事・育児行動と疲労感の変化
- 溶媒によるクロマトグラフィーの制御
- アルギニンは抗体のクロマト分析と精製を進化させる
- タンパク質の凝集形成とクロマトグラフィー(ポリペプチド凝集のテクノロジー)
- プロテインマニピュレーション : 蛋白質リフォールディングの最前線