天然ゴムへのメタクリロイルグリシンおよびそのエステルのグラフト重合 : 天然ゴムに関する研究 (第11報)
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概要
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天然ゴムの改質を目的として, メタクリロイルグリシン (M-Gly) およびメタクリロイルグリシンエステル (M-Gly-OR) の天然ゴムへのグラフト重合を, 開始剤として過酸化ベンゾイル (BPO) およびアゾビスイソブチロニトリル (AIBN) を使用し各種条件下で検討した.さらに, 得られたグラフトポリマーについて若干の性質を調べた.<BR>M-Glyのグラフト重合 : 1) 重合溶媒として, トルエンージオキサン (1 : 1〜2 : 1) 混合組成のものが適当である.2) 開始剤はBPOが有効であり, しかも最適濃度 (3.125×10<SUP>-3</SUP>mol/<I>l</I>) である.AIBNではほとんどホモポリマーのみを与えグラフト化が起こりにくい.3) ゴム濃度は高いほど, またモノマーはゴム0.0lmolに対して0.015mol (重合温度 : 80℃) の使用において良好なグラフト結果を与える.4) 重合温度は60〜80℃が適当であるが, 60℃でははなはだ長時間の重合を必要とする.また加熱の代りに光照射も有効である.5) グラフト率の高いポリマーほど水に膨潤しやすく, ベンゼンおよび四塩化炭素には膨潤しにくい.<BR>M-Gly-ORのグラフト重合 : 1) 開始剤としてはM-Glyの場合と同様にBPOが有効である.2) 重合濃度は100℃が適当で, それ以下の温度ではグラフト化が起こりにくいようである.3) グラフトポリマーはモノマーのエステル基の炭素数が大きいものほど柔軟となる.
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