パイログラムの標準化による高分子化合物のコンピュータ検索
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概要
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キャピラリーカラムを用いる高分解能熱分解ガスクロマトグラフィーは分解能が高く, 情報量が豊富なためポリマーの判別能力に優れている. しかしながら, 得られた高分子化合物のパイログラムは複雑となり, ポリマーの同定に経験と時間を要し困難である. 本報告ではポリエチレンのパイログラムが規則的に連続したα-オレフィンのピークを示すことを利用して, それらのピークの間に現われる各種ポリマーのパイログラムのピークの保持時間を相応する炭素数に変換し, パイログラムを標準化した. この方法は, 実験場所や実験日が異なっても, ポリエチレンのパイログラムを基準にして, 保持時間を炭素数に標準化するため, 従来からの実験室間の誤差や実験日による変動は少なくなった.また, この方法により, あらかじめ各種ポリマーのパイログラムを標準化して検索テーブルを作成し, その中から未知試料のパイログラムに類似した既知ポリマーのパイログラムを捜し出すシステムを検討した.このシステムは未知試料のパイログラムを自動的に標準化して, 次に検索テーブルから最も一致するポリマーを順次選択し, 表示するとともに一致したパイログラムのグラフィック表示から, 未知ポリマーの同定を確認した. この検索システムは分解能の優れたキャピラリーカラムを用いる複雑なパイログラムから未知ポリマーの同定を迅速に, かつ正確に行うことができる.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
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