温度順応性スパイクタイヤに関する基礎的研究 : すべり摩擦特性と路面損傷軽減
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概要
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道路表面の損傷を減らすため, 温度によってピンの作用力が変化する温度順応性スパイクタイヤを開発し, 乾燥コンクリート及び氷表面上で摩擦特性を調べた. このタイヤは温度順応性ゴムのシートをスパイクピンの下につけたものである. 0°C以下ではこのゴムはトレッドゴムより硬く, また, 0°Cと10°Cの間で硬さは急激に低下を示す. 更に10°Cではこのゴムはトレッドゴムよりも柔らかい. この温度順応性スパイクタイヤの摩擦特性及び乾燥コンクリート表面に対する研摩性について調べ, 更にピンのないスノータイヤ及び普通のスパイクタイヤとの性能の比較を, 各々のモデルタイヤ試料を用いて行った.-10°Cから0°Cの温度で氷面を温度順応性スパイクタイヤがするべるとき, 摩擦係数は0.7から0.8の値であり, 普通のスパイクタイヤの摩擦係数とほぼ等しい比較的高い値を示した. また, この摩擦係数はピン無しスノータイヤよりもかなり高い値であった.10°C以上では温度順応性スパイクタイヤは普通のスパイクタイヤに比べ24%の乾燥コンクリート表面の損傷を減らすことができた. しかし, 温度順応性スパイクタイヤによるコンクリート表面の損傷は0°C以下の温度では普通のスパイクタイヤによるものと同程度であった.このように温度順応性スパイクタイヤは普通のスパイクタイヤと同様に氷結面上では良好な摩擦特性を示すとともに, 0°C以上で路面の損傷を低減することができた.
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